大人の教養講座インタビュー。連載第4回目は『快適な私の居場所づくり』講師の川鍋裕子さんです。
今回も愛読書やお気に入りの街から講師の方の価値観に迫ります。

【インタビュー】

氏名:川鍋 裕子さん

職業:収納空間プランナー

収納空間プランナーは、「片付けられない原因」を共に探し、「モノ」とのつきあい方や住まい方を提案します。
本当にやりたいことに時間やエネルギーを注げるよう、暮らしの土台を根本から整える収納のプロフェッショナルです。

座右の書:「夢ノート」の作り方

著者:中山 庸子 初版:1998年
【内容情報】
毎日が何となくつまらない、もっと私らしい生き方がある気がするのに、一体何をしたらいいのかわからない。そんなあなたにおすすめしたいのが「夢ノート」づくり。一番好きな人との結婚、本の出版、ライフスタイル…大きな夢から小さな願望まで、このノートで次々と実現させてきた著者が、とっておきの秘密を公開。なりたい自分に必ずなれる、不思議なノートのつくりかた。

ーこの本を選ばれた理由をお聞きしたいです。

座右の書を選ぶのはとても悩みました。好きな本と聞かれると悩みますよね。

父は本ならなんでも買ってくれる人で、本はいいものだという刷り込みもあり、子供の頃から本は好きでした。コバルト文庫に始まり遠藤周作さん、宮本輝さんを通って、最近はビジネス本や実用書がある中で、どれか一冊選ぶとなったときに、家にずっと残してある本がそれなんだなと思ったんです。

片付けの仕事もしていますし、物には固執しないタイプなので、最近読んでいる本はすぐに手放すことが多く、手元に残してある本は本当に少なかったんです。
その中で20年近くとっておいたのが『「夢ノート」の作り方』。
タイトルや表紙も昭和感があるし、夢ノートの作り方っていうのをアラフィフの私がいうのはすごくハードルが高かったんです。恥ずかしいなって。

変な見栄というか、そういうのが実はあったんです。でも、もしかしたらそれは自分の生き方に対するハードルのひとつかなと思って。万人受けや、人よりかっこよく見せるとかはもういいやと。
わかってくれる人が1人ぐらいいてくれればいい、という振り切りを作りたい時期でもあるような気がして、恥ずかしいけど、あえてこの本を選びました。

ー何歳になっても持っている女の子の部分を刺激してくれる本ですよね。
ときめきをずっと持っていたい、形にしたい。ノートに書くという実際の行動にすることで人生が開ていくよっていう内容ですが、それを20代からずっと持ってらっしゃるのはすごいですね。

その時はちょうど結婚して仕事を辞めたときだったんです。
ずっと仕事したいって思っていたけど、結婚する時に手に職を持っていたわけではなかったので、多分不安だったんです。仕事しない自分になることに。

その時期に読んだ本で、諦めないぞ!という勇気をもらえたんじゃないかと思います。
作者はガッツもあるし、仕事に対しても貪欲に自分から行動されて、自分を幸せにする力がすごく強い方。
自分がどう生きるかは自分次第だなって感じたと思います。自分で内面を充実させていく。
今の若い子たちは結婚して子供も産んで働いて、という子の方が多いと思うけど、私たち世代ならではの感性なんじゃないかと思います。

ー夢ノートは実際に自分でも書かれましたか?

あんな風にキレイに作ったりはしていませんし、ノートはスケジュール帳だったりサブノートだったりするんですけど、書き出すということはしていました。

ー実際に叶った夢はありますか?

いろいろなことが繋がった感覚はあります。
主婦になって、もう会社員に戻ることはないだろうというイメージがありました。
というのは、会社員時代に、お茶の先生やお花のアレンジメントなどのフリーで働いている方と知り合う機会が多くあり、そういう働き方をしたいなと書いていたことがあります。

自分の住んでいる街の小さな商売をされている女性たちを特集する本ができたらいいな、と思っていたら『BALL.』(多摩地区情報誌)と関わるようになり、けやき出版さんのバックオフィスで働いています。

書いていたことを忘れてしまうことはよくあるのですが、何年かした後に書いていたことをやっているな、ということはよくあります。

あと、モヤモヤした時には書き出します。タスクがいっぱいになってしまい、何にモヤモヤしているのかわからくなってしまう時がたまにあるんです。
それを書き出すと、自分がひっかかっているポイントが出てきたりするんです。
自分が何にひっかかってたということがわかると、思っていたより大したことじゃなかったと感じたり、解決法が見つかるんですね。

思考っていっぱい浮かんでて、それは結びついたり重なったりする傾向があると思うんです。
それを書くことで一度分解する。そしてなんで?って自分に問いかけるんです。なんでそうなったの?って問いかけて分解していくことは効果的だと思っています。

ーまさに心の片付けですね。

 

参照:くにたちNAVI

ーお住まいのある国立をお気に入りの街に選ばれていますね。

正直、お気に入りの街ってパッとは出てこなかったんです。
旅先などでも、後から思い浮かぶのはどんな人に出会えたとか、素敵な話を聞いたとか、私の場合、人なんですね。
今も生活し、子育てをしてきた国立で、いい人にいっぱい出会うことができました。国立大好き!多摩大好きです!

ー続いて、相棒的道具に選ばれたのはペン、手帳、本ですね。

スマホよりは、と思って選びました。ペン好きなんです。紙好きなんです!文房具自体が好きで、道具というより、物としての愛着もありますね。

ー最後になりましたが、今後の夢をお聞かせください。

大きな夢っていうのは思いつかなかったんです。でも、それもいいかなと思って。
仕事も遊びも笑顔でがんばり続ける人でありたいです。
豊さとは心身ともに元気で、仕事も遊びも両方がんばれることかな、と。

母が具合が悪かった時期があったので、普通に過ごせる日常ってなんてありがたいんだと思います。
家族が元気で、自分も仕事をしている。そしてそれに満足しないで、もっと仕事を伸ばしていきたいと思えていることが幸せなのかなと思います。

ー自己啓発本などでは、大きな目標を設定してそこから逆算して予定を立てるというやり方がありますよね。
でも実際は予定通りに進むわけじゃないので、その時に心に負荷がかかりますよね。

片付けでも、ゴール設定はするんですけど、お客様にトップダウンタイプかボトムアップタイプかお話をしながら聞いてみます。
まず大きなイメージがあってそこに突き進んでいく方もいます。
反対に、最初はそこまで考えるのがしんどいという方も、現状でここは変えたいな、というのを積み上げていくと景色が変わっていくんです。そういうやり方も効果がありますし、着実です。

ーどっちがいいということはないんですね。

そうですね。人によると思います。いろんな人がいていいですし、その方にとって何を大切にしていきたいかということを大事にしています。

ーありがとうございます。

 

川鍋さんご自身のブログでインタビュー時来店いただいた時のことをアップされていますので、ぜひご覧ください。
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アメブロ 快適時間創造*収納空間プランナー川鍋裕子

 

「ステイホーム」「おうち時間」「テレワーク」・・・この1年間でコロナ禍によるいくつもの新語が登場しました。
表現は変えども、共通していることは、「家にいる時間が長くなった」ということです。

生活するお家で仕事もするようになった今だからこそ、居心地がいいだけでなく「最適化」した我が家に変えていきたいですね。