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大人の教養講座の講師の皆様の価値観に迫る独占インタビューを連載いたします!

講師のことを知ることで、大人の教養講座をより楽しむTipsとしてください。

【インタビュー】

氏名:千田 恭弘様(36)

職業:醸造家・イサナブルーイング店長

 

 

 

 

 

 

 

座右の書:『ビール大全』

-座右の書への思い入れは?

 

私がこの業界に入るきっかけになった本であり、ビール心をくすぐられる一冊です。

友人に本を読む人が多く、彼らと遊ぶ度に「はい、どうぞ」と本を渡されるのですが、そのうちの一つが『ビール大全』でした。当時はビールというと、日本やドイツ、アメリカの銘柄程度しか知らなかったのですが、(本書の中では)ヨーロッパ一つ挙げてみても、ドイツのビールもあればイギリスのビールもある、といったように、国ごと・地域ごとのビール文化を紹介しており、さらに筆者オススメのビアバーも掲載されています。

読み進めていくとビール文化の大元はイギリス・ロンドンのバーだった知り驚きました。「イギリスでビール」というイメージが当時なかったので、是非ビール発祥のロンドンで飲んでみたいと思い、その本がきっかけとなって一人でロンドンに行ったりもしました。

 

ロンドンでは『ビール大全』に掲載されていたビアバーを巡りました。

ロンドンでは早朝からビアバーが開いていて、朝食が食べられるようになっています。そこから2件目のビアバーに行ったり、酔い覚ましに大英博物館へ立ち寄ったりできるのです。

 

-イギリスというとどちらかというとウィスキーやバーボンのイメージがありました。

 

やはり麦が沢山あったのでしょうね。

また、「イギリスの食事はおいしくない」とよく言いますが、そんなことは全くなくて美味しく感じました。

 

-お気に入りの街(旅先)は?

 

国内なら沖縄の八重山地方が大好きです。

もともと沖縄がすごく好きで、よく本島の方へは行っていましたが、行き尽くした感じがあったので、「石垣島の方へ行ってみようか」となり…そうしたら、その島のローカルな雰囲気や文化に凄くハマってしまいました。

八重山地方の竹富島という島には「竹富島憲章」という島のルールがあり、昔のスタイルの赤瓦の低い屋根と石垣に囲まれた家しか作ってはいけないという決まりになっています。

道路にはサンゴの砂浜の砂が敷かれており、にわかにゲームの世界へ迷いこんだような、異世界な感じが面白かったです。

 

また、沖縄の良いところが「ビジネスホテルよりも民宿に泊まった方が、文化が楽しめる」という点です。民宿に泊まると、夜には宿主と宿泊者で「ゆんたく」という飲み会が開かれます。「ゆんたく」では、その宿の人とも、初めて会う人とも仲良くなれるのですが、そこでできた友達の結婚式に招待されたこともあり、また他では広島のお好み焼き屋さんと仲良くなって、後日泊まりに行ったこともあり、などと旅が終わった後も仲良くしていただいています。

沖縄は泡盛も楽しめるので、酒造所にいって試飲をすることもできますし、もちろん海も非常に綺麗なのでカヤックでマングローブを周るようなアクティビティもできます。

そうした沖縄の八重山地方の多面的なところが好きなのです。

 

もう一ヶ所がヘルシンキ(フィンランド)です。

もともと映画の『カモメ食堂』が好きだったことや、妻が行きたいと言っていたこともあり…それまではさほど興味なかったのですが、実際に行ってみたら凄く良かったですね。

 

街中では蚤の市(骨董品市)が開催されていて、古いものがたくさん売っていて、マリメッコのようなブランド物が、日本の半額で買えたりします。

また、街の人はフレンドリーで、フィンランドを歩いていて横断歩道を渡ろうとすると、絶対クルマが止まってくれる。良い街です。

 

 -何月くらいに行かれたのですか

 

7月です。フィンランドは夏が一か月しかなくて。加えて気候も快適です。

 

-そういえばカモメ食堂と(イサナブルーイングの)雰囲気が似ていますね。

 

ガラス張りの所などが似ていますかね(笑)

かもめ食堂の撮影地にも行きました。今は内装が変わっていますが、素敵な空間でした。

 

 -相棒的な道具はなんでしょう

 

コーヒー抽出機のエアロプレスです。使い勝手がよくて持ち運びも楽なので重宝します。

簡易的に見えますが、きちんと使い方を覚えれば、お手軽に本格的な味を楽しめるところが気に入っていますね。手入れも楽なのがまた良いところです。

-今後の夢は何でしょうか

 

醸造設備を拡大して、沢山のビールを作れるようにしたいです。

今から始めるなら、流通に乗せやすい缶ビールでしょうか。気密性も高いし、ビンに比べて紫外線が入りにくいので、今は「缶」が来ているのです。なので、缶ビールで流通に乗せて、弊社で作ったビールが日本各地で飲んでもらえるようになったら良いなと思いますね。

 

-確かに今流通しているクラフトビールも缶のイメージがありますね

 

はい。ただ、少し難しいところで、レストラン等で出すなら雰囲気を鑑みて、ボトルの方が良いですよね。一方では、ビンの方が重くてかさばるため発送料金もかかってしまうので、やはり「缶」の方が良いかなと。

 

 -ただ、クラフトビールの缶はデザインも洗練されて個性的なイメージです。

 

そうなんです。そういうところで(ビン等の雰囲気に)勝負していきたいと思います。

 

 -既に醸造設備はかなり大きく見えますが…

 

発酵タンクが3基なので、日本でもかなり小さい方です。醸造設備だけではなくて、店舗もあと2つか3つ。

将来的には色々な所で弊社のクラフトビールを楽しんでもらえたら嬉しいです。

 

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