ある日の夜のこと。

マルベリーフィールドが主催となり、ナイトマルベリー「夜の朗読劇」を実施しました。
ブックカフェに、本の中の物語を朗読劇で出現させるこの企画、おかげさまで大好評で終了しました!今回はそんな「夜の朗読劇」のイベントレポートをお送りします。

■ ナイトマルベリー「夜の朗読劇」とは

最近注目を集めている「イマーシブシアター」、みなさんご存じでしょうか。”体験型演劇”とも訳されるこちらは「決まったステージがないこと」や「観客も登場人物の一員になって楽しめる」ことが特徴の演劇で、新感覚のエンターテイメントとして人気が出てきています。
その「イマーシブシアター」から店主の勝澤がインスピレーションを得て、シナリオライターであり「近代文学の演劇化」に定評のある「Theatre Ort」の倉迫康史さんの協力を得て実現したこの企画。
いつも閉店後は真っ暗の「夜のマルベリーフィールド」の店内に明かりが灯り、物語が出現する。小さな頃のおもちゃの世界のようにワクワクしますね。^^

今回の朗読劇に選ばれし記念すべき作家は、「太宰治」。ファンも多い太宰治の作品がどんな形で表現されるか、楽しみです。

■ 演劇前に太宰治を知る時間が

お店に訪れてくれた今日の参加者のみなさんには、まずは太宰治にゆかりのあるメニューを集めた「縁弁当」を召し上がっていただきながら、倉迫さんからのラジオ番組風の「太宰治の人となり」紹介番組を聞いていただきます。参加者のみなさんから申込時に「ワタシとダザイ」のエピソードも募集していたので、そのエピソードも紹介されつつ、太宰が青森との縁、女性目線の一人語りの作品を得意にしていたこと、そして大酒飲みで大食漢だったこと、、などいろんな太宰を教えていただきました。


■ 朗読劇のはじまり、はじまり

そしてお腹も満たされたところで、朗読劇のスタート。
今回の作品は「誰も知らぬ」「恥」「葉桜と魔笛」という3つの作品でした。
平佐喜子さんと岩坪成美さんの二人の実力派女優の身振り手振り、ときにはお店から駆け出していったりとても臨場感のある演技と声の調子に、参加者もどんどん引き込まれていきました。
目の前で繰り広げられるものがたりがこんなに面白いものだとは。
劇中は撮影禁止でしたが、少しだけお見せしましょう。


作品ごとに衣装も変え、その人物像そのままになりきり演じる2人。カフェにあった置き物が物語のキーパーツになったり、ドアをバタンと開けて誰もいない道を駆け出して行ったり、ブックカフェが本当にその物語の現場のような錯覚を覚えました。

■ 終了後は交流会

そして演劇の終了後は、倉迫さんや平さん、岩坪さんと今回の観客のみなさんとを交えた交流会。
手が届く距離で行われた物語の世界の感想をそのままフィードバックしたり、お店では他の太宰作品を並べてみたり、太宰とゆかりの青森・津軽のお酒を楽しんだり、、楽しい時間が過ぎていくのでした。^^
「ドアを開けて駆け出すとき、道に誰かいたらどうしようとこっちもドキドキでした。」
「演じながら、自分自身もその女性になっていくのが面白いんですよね。」
と演じていた2人の感想を直接聞けるのも、アフタートークの楽しみですね。


この盛り上がりに、今回の朗読劇を多くの方が楽しんでくれたことが伝わってきて嬉しかったです。
みなさん遅くまでご参加ありがとうございました。

■ これからのマルベリーフィールド!

今回のナイトマルベリーははじめての試みでしたが、みなさんに喜んでいただけ、お店としても本棚に並んでいるひとつひとつの本の世界を新しい形で知っていただける可能性を感じた機会として非常に手ごたえを感じたイベントとなりました。

まだまだ、楽しんでいただきたい作家さんや物語は世界中にあふれています。
またこのような機会を設けて、そのひとつひとつの物語の世界を楽しむ時間をつくっていければと思いますので、その際はこちらのHPでお知らせしますね。

みなさんのまたのご参加をお待ちしています。

この度はどうもありがとうございました。