開催日:2025年6月18日(水)/ 会場:手打ち蕎麦 又達(昭島市)


1.はじめに

梅雨の時期とは思えないような、30度を超える猛暑のなか、昭島の老舗そば店「又達(またたつ)」の大広間を舞台に、「林家つる子 独演会 ~落語と蕎麦を楽しむ会~」を開催いたしました。
定員50名で募集を開始したところ、あっという間に席が埋まり、急きょ10席を追加して、最終的には60名満席での開催となりました。


2.なぜブックカフェが落語会を?

マルベリーフィールドは、もともと“街の本屋さん”として50年前にスタートしました。現在では、カフェ営業やトークイベント、絵本をテーマにした料理企画など、本と暮らしをつなぐ新しい提案に取り組んでいます。
その活動の中でイベント運営の経験が蓄積され、「一緒にやりませんか?」というお声がけをいただく機会も増えてきました。今回の落語会は、「林家つる子昭島ファンクラブ」からのお声がけをきっかけに、マルベリーフィールドが会場手配、予約管理、広報、当日の運営までを担当するかたちで実現しました。


3.開演前の風景

林家つる子師匠の熱心なファンから、今回が落語初体験という方まで、幅広い参加者が会場に集いました。
開演を待つ会場には、「どんな噺が聴けるのか」と期待に胸をふくらませる空気が自然と漂い、受付ではスムーズな誘導のもと、参加者一人ひとりに当日のプログラムと指定席をご案内しました。


4.第一部:『お菊の皿』

司会進行を務めてくださったのは、マルベリーフィールドの常連客でもある伊藤ひかりさん。
つる子師匠の経歴や近年の活躍について丁寧に紹介した後、出囃子に乗って、つる子師匠が高座に登場しました。
まず“まくら”では、自身が群馬県出身でありながら、「大学が八王子にあり、そこに通うために立川に住んでいた」と、多摩地域への親しみを語ってくださいました。
その語り口に、会場からは笑顔と共感の空気が自然と広がり、一席目の『お菊の皿』へ。
幽霊噺でありながら、つる子師匠の巧みな語りとユーモアの効いた展開が光り、怖さの中にも思わずクスッと笑えるような、軽やかで楽しいひとときとなりました。


5.仲入り

第一部を終え、ここで一旦、仲入りの時間に。
会場では談笑される方、つる子師匠のグッズ販売コーナーをのぞく方など、それぞれが思い思いの時間を過ごされていました。


6.第二部:『紺屋高尾』

休憩後の第二席は、情感あふれる噺『紺屋高尾』。
つる子師匠の口調はよりしっとりと、そして艶やかに。特に、高尾太夫の色気を感じさせるセリフまわしは、女性噺家ならではの美しさと気品が漂い、多くの方の印象に残ったようです。
物語が進むにつれて、会場内はしんみりとした感動的な空気に包まれ、登場人物の想いに静かに寄り添うようなひとときとなりました。


7.蕎麦タイムと交流

終演後には、又達特製の手打ち蕎麦が振る舞われました。
参加者の皆さまは、落語の余韻にひたりながらお蕎麦を味わい、各テーブルでは笑顔と会話が飛び交う和やかな時間に。
さらに、つる子師匠が各テーブルをまわってくださり、声をかけながらの交流はもちろんのこと、気軽にツーショットでの記念撮影にも応じてくださるなど、そのフレンドリーなお人柄に触れ、皆さんとても嬉しそうな様子でした。
蕎麦タイムの締めくくりには、参加者全員で高座の前に集まり、集合写真を撮影。拍手と笑顔に包まれながら、イベントは大盛況のうちに幕を閉じました。


8.参加者の声

  • 「テレビでは見たことがありましたが、生で聴く落語は全然違いました!」
  • 「笑って泣けて、たっぷりの90分。充実した時間でした」
  • 「落語と蕎麦、そしてつる子師匠との交流まで。本当に贅沢な会でした」

9.おわりに

林家つる子師匠の確かな話芸と、昭島が誇る手打ち蕎麦の味。
この二つを一度に楽しめる贅沢な時間を、地域の皆さまと共有できたことを心から嬉しく思います。
スタッフ一同、皆さまのご来場とご協力に深く感謝申し上げます。
なお、つる子師匠は2025年7月、鈴本演芸場でトリを務める予定とのこと。今回の演目『紺屋高尾』も再び演じられるそうですので、ぜひ劇場にも足をお運びください。
また、つる子師匠は落語の高座にとどまらず、TBSラジオ「多摩もりあげ宣言」(毎週土曜17:15〜)にてパーソナリティーとしてもご活躍中です。多摩地域への愛と発信力がにじむそのお声も、ぜひラジオでもお楽しみください。