11月15日の「着物の日」にちなんで開催された「マルベリーフィールドで楽しむ着物の日」イベント。
■午前の部
午前の部は 「気軽に着物を楽しむ方法を知るワークショップ」。講師の坂本呉服店の坂本さんのご挨拶の後、参加者の皆さんに参加したきっかけを伺いました。
- 着付け教室に通おうとしたことがあるけど、途中でやめてしまった・・
- 子供がお正月に着物を着たいと言ったので興味を持った
- 子供の卒業式に着物を着てみたい!
など理由は様々。
着物に興味津々な参加者を前に、坂本さんのお話が始まります。「まず、着物は着るもの。フォーマルな席に呼ばれて着る着物にはルールがあります。それは招待してくれた方のために着るもの。それ以外は自分のために着る着物。自由に、自分の好きなように着ればいいのです。今日は自由な着物の着方を学びましょう!」
続いて、着物の寸法の測り方、部位の名前、作り方について説明がありました。自分の寸法を知ることで古着購入時の基準になり、失敗を防げます。体型別の注意点も教えていただきました。
さらに、反物を部位ごとに裁ち、縫い合わせていく一切布を無駄にしない着物の作り方や、昔は汚れた部分は糸をほどいて生地を裏返して縫い直していたという昔の知恵も紹介され、日本の暮らしの歴史に触れる内容でした。
そして体験コーナー!デニムの着物を1人1枚貸していただき、まずは畳み方を練習。先ほど学んだ部位の名前が早速役立ちます。畳めるようになった後は実際に着てます。自分の好きな帯を選びます。着物と帯選びは着物を着る上でとっても楽しい時間!誰もがコーディネーター気分です。
シャツやタートルネックの上に着物を着て、「結ばない帯結び」を教えてもらいました。半幅帯と帯留めだけでできる「結ばない帯結び」は目から鱗の落ちる簡単さ!これなら着物着るの楽勝じゃん!と着物への高い敷居が一気に下がりました。
練習のたびに違う帯を試したり、参加者同士で「これが似合うんじゃない?」と意見を交わしたりと、和気あいあいとした雰囲気の中であっという間にお開きの時間に。
希望者は着物を着たままカフェでの食事や撮影を楽しめるということで意気揚々とブックカフェへ!
テラス席は着物の女性で華やかに彩られました。
テラスでランチとおしゃべりを楽しんだ後は午後の部。
■午後の部
午後の部は「半幅帯結びワークショップ」。
参加者が入れ替わり、坂本先生から半幅帯の結び方を教わりました。今回学んだのは、浴衣の結びとしておなじみの文庫結びの派生バージョン3種類です。
こちらは2時間の真剣勝負。坂本先生から、半幅帯でも帯留めや帯揚げを使った結び方があることを教わりました。同じ手順で結んでも、帯の長さや力加減、布の幅によって仕上がりが人それぞれ異なるのが面白いところ。1度結んでから再度やり直してみると「あれ?さっきと違う!」「どこで間違えたんだろう?」といった声が飛び交いました。坂本先生に見守られながら、何度も練習を重ねます。
新しい結び方を教わるたび、先ほどの結び方を忘れてしまい、覚えるのに必死。先ほど食べたランチのカロリーを一気に消費するほど集中しました。
YouTubeには着物の着方や帯結びの動画が多くありますが、それだけで1から帯を結ぶのは至難の業。実際に手ほどきを受け、その後で動画を使って予習復習するのが無難だと実感しました。布の感触を確かめながら結びの構造を考え、手を動かすという作業は、慣れないと非常に難しいもの。日本人が「着物を着る」という日常的な行為に遊び心、探究心、美意識を込めていたことを改めて感じました。そしてその器用さに驚かされました。着物に触れ、帯を手に取り、実際に着て1日を過ごすだけで、多くの発見がありました。
講座終了後は、新しい帯結びでブックカフェへ。コーヒーを楽しみながら写真撮影を行いました。
参加者からは、「着物を着て出かける場所が欲しい」「マルベリーフィールドで着物DAYを作ってほしい!」という声が多く寄せられました。この声を反映して、現在「着物DAY」を企画中です!
講師の坂本さん、午前・午後を通して丸1日、本当にありがとうございました。