「本にまつわる取り組みをはじめていけたら」
そんな思いに共感するメンバーが実行委員となり、企画を進めてきた「文芸の庭」。
その第1回が11/10(日)の夜に当店にて行われました。

当日の様子をレポートしますね。

■ 「文芸の庭」とは

ひと口に「本を楽しむ」と言っても、楽しみ方や面白さ、奥深さはいろいろありますね。

小さな頃に読んだ絵本の、やさしい挿絵と昔話やおとぎ話のようなストーリー。
本の中に広がる非日常の世界。それを誰かと共有する楽しさ。
どんな本を選ぶか、その1冊の本を本棚のどこに並べるか、装丁をどうするか。
文章を書く楽しさも、文章に合う挿絵を考えてみるところも面白さがあったり。
面白い取り組みをしている書店やブックカフェを巡ってみるのも楽しそうです。

そんな「本」にまつわるエトセトラをみんなで楽しんでいけるコミュニティを、ここ昭島からつくっていけたらいいよね、なんて話をしていたメンバーで「まずはそういう取り組みに興味のある人が集まれるイベントをしていこう」と企画したのが、「文芸の庭」です。
まずは入口として、ゲストの話を聞きつつ「私を創った1冊」を持ち寄って話をする会を企画しました。


■ 今回のゲストは「八王子国の歩き方」の中野智行氏

今回のゲストは、人気YouTuber「八王子国の歩き方」 の中野智行氏。
いつものYouTuberとしての話ではなく、今回は「私を創った3冊の本」というテーマで特別トークをお願いしました。
これが実に面白かった。題して「インテリの盲点と情報吸収効率の話」。
ガンダムから落合陽一先生、そしてソクラテスまで登場し、中野氏ならではの視点で編集された情報吸収効率についての話をいただきました。わかりやすく伝えること、非常に大切ですね。


中野氏が紹介した「私を創った3冊の本」は以下。
・旅のラゴス :筒井康隆
・女に:谷川俊太郎
・人はなぜ死を恐れるのか:丸山圭三郎・黒鉄ヒロシ
それぞれの本のエピソードもまた、中野氏らしさが表れてましたね。


■ 参加者の「私を創った1冊」紹介

1回休憩をはさんで、後半は中野さんと進行アシスタントにハレル舎の平田さんが加わり、参加者みなさんから「私を創った1冊」を紹介いただきました。

みなさんそれぞれの人生の岐路となった出来事と一緒に紹介される1冊のエピソード。
なぜそれが大切な1冊なのか、その話から参加者みなさんの人となりも伝わってきて、交流のきっかけになる話もたくさんありましたね。

ちなみに、こんな1冊がエピソードとともに紹介されていました。タイトルだけリストアップしておきますね。
・小学校低学年の時の「こくご」の教科書
・心の処方箋
・ノルウェイの森
・優しいまなざし
・哲学入門
・楢山節考
・峠
・「赤頭巾ちゃん気をつけて」シリーズ四部作
・銀の匙
・塩狩峠
・空白を満たしなさい
・アイデアのつくり方


今回紹介された本は、マルベリーフィールド店内にて特設コーナーを設けて徐々に入荷中で、コメントとともに紹介しています。他のお客様からも好評の声をいただいておりますので、ぜひまたご来店の際にご覧ください!


■ 終了後は交流会

そしてイベント終了後は、参加者みなさんに中野さんも交えた交流会。
発表の感想や、持ってきた1冊を見せ合ったり、「自分も読みました」と感想を伝えあったり、書店でやっていることもあり、関連の本を取り出して語り合ったり予定の終了時間を大幅にオーバーして楽しい時間が過ぎていくのでした。^^
「本の話をじっくりできる」相手が欲しかった人にとっては今回の参加はとても貴重な機会になったようで、ここから「文芸の庭」は新たな広がりを見せていきそうです。^^


■ 参加者の声

いくつか、イベント終了後にいただいたアンケートから参加者の声も紹介しましょう。

▼ 感想大賞
「「私を創った1冊」を限定できないまま参加しました。中野さんのお話に楽しくリラックスさせてもらい、皆さんの「1冊」を聞きながら、私もこれは読んだことがある、この作者さんの作品は好きだったな、と1冊1冊に想いを馳せました。みなさんの人生にきっと深く関わった1冊は、読まずとも興奮を誘い、夜寝付けずにいると、ふっと自分を作った1冊を思いついたのです。
それは中野さんと参加者の方々が語ったキーワード「知るとわかるは違う」、「その本を読む年齢」(私もちょうど19歳でした)、「声に出して読む楽しさ」が、私の「脳内の経験を結びつけてひらめいた」のです。
自分を創った1冊という答えが出たことで、このイベントが起承転結のある物語になったのです。
たった3時間足らずの濃密な時間が、私の中で1冊の本になったようで、なんとも幸福感に溢れました。
人の話を聞き、自分も話す。
対話が記憶を掘り起こし、自分の原点を見つけることができました。素晴らしい時間をありがとう!!

▼ 他にもこんな感想をいただきました^^
「中野さんにファシリテーションしていただけるとなんでも興味が持てそうです!」
「ラジオやポッドキャストの公開収録等、是非よろしくお願いいたします笑」
「装丁デザイン携わる方、絵本作家の方たちからの話を聞いてみたいです」
「本日はありがとうございました。とても楽しく、みなさんと本でつながれて、心が充実した会でした。今日のように、みなさんで好きな本とエピソードを紹介し合うイベントなどまたぜひ開催してください!哲学、つながり、作ってくれた本、などテーマがあるのもよいかもです。お泊まりにも行きます!」
「人生で幼い時に、読んで今でも記憶に残っている本のお話や、神社やお寺等の本で、多摩エリア地域が有ったらそこへ訪問してみる等有ったら参加してみたいです」

■ 最後に

今回の文芸の庭、第1回のイベントということでスタッフ一同ドキドキしながらの運営でしたが、ゲストの中野さん、そして参加者のみなさまに恵まれてとても楽しい時間を過ごすことができました。
書店が減っている、本を読む人が減っているといわれている中で、本にまつわるイベントがこれだけの盛り上がりを見せたことに私たちもとても勇気をいただきました。

感想でもいただいていますが、継続してこういったイベントをしながら昭島の地に「本を楽しむ文化」をつくっていければと思いますので、次のイベントの際にもこちらマルベリーフィールドのHPでお知らせしますね。

みなさんのまたのご参加をお待ちしています。

この度はどうもありがとうございました。